労働者災害補償保険(労災保険)
労災保険とは
労災保険は、従業員の業務上及び通勤途上の負傷、疾病、障害、死亡等に対して必要な保険給付を行うことを主な目的としています。
労働基準法は、従業員が労働災害を被った場合には事業主が補償することを義務づけています。そしてその補償給付を確実に行うために、労災保険に強制的に加入させているのです。従業員を雇う事業所は、例外を除き全て労災保険の適用事業となりますが、農業においては、常時5人未満の従業員を使用する個人経営の事業は、暫定任意適用事業という例外扱いになっており労災保険は任意加入となっています。したがって個人経営の農業であっても、常時5人以上の従業員を使用している場合や農業法人は強制適用となります。
労災保険の保険給付
労災保険の保険給付には、(1)業務災害に関する保険給付、(2)通勤災害に関する保険給付、(3)労働福祉事業があります。
業務災害に関する保険給付には次表のものがあります。また、通勤途上の事故の場合の保険給付も業務上災害の場合とほとんど同じです。通勤災害に関する保険給付は、労働基準法の災害補償責任を基礎とするものではないので、「補償」の文字が使われません。
労災保険による給付の種類
| 労災事故で 療養する場合 |
療養(補償)給付 | 療養費の全額 |
|---|---|---|
| 休業(補償)給付 | 休業4日目から休業1日につき給付基礎日額の60% | |
| 傷病(補償)年金 | 療養開始後1年6か月経過しても治らずにその傷病が重い場合、給付基礎日額の313日(1級)~245日分(3級)の年金 | |
| 障害が 残った場合 |
障害(補償)年金 | 給付基礎日額の313日分(1級)~131日分(7級)の年金 |
| 障害(補償)一時金 | 給付基礎日額503日分(8級)~56日分(14級)の一時金 | |
| 被災労働者が 死亡した場合 |
遺族(補償)年金 | 遺族数に応じ給付基礎日額の245日分~153日分 |
| 遺族(補償)一時金 | 遺族補償年金受給資格者がいない場合、その他の遺族に対し給付基礎日額の1,000日分の一時金 | |
| 葬祭料(葬祭給付) | 315,000円+給付基礎日額の30日分(最低保障額は給付基礎日額の60日分) |
労災暫定任意適用事業
労働者を使用する事業は、適用除外(国家公務員等)、暫定任意適用事業に該当する場合を除き、すべて労災保険の適用事業となりますが、災害発生率の低い小規模な事業は、当分の間、法律上当然には労災保険が適用されず、その加入は事業主又は労働者の意思に任されています。これを暫定任意適用事業といい、農林水産業の一部で、農業では、常時5人未満の労働者を使用する個人経営の事業ですが、次の 1 と 2 は強制適用事業となります。
- 一定の危険又は有害な作業を主として行う事業
- 事業主が特別加入している事業
保険の成立日は、強制適用事業は、事業開始日(労働者を雇入れた日)が自動的に保険の成立日になりますが、暫定任意適用事業は、厚生労働大臣の認可があった日です。
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