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退職・解雇

解雇のルール

 最高裁の判決でも確立しているものの、労使当事者間で十分に周知されていなかった「解雇権濫用法理」が労働基準法に明記されました。「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」(労働契約法16条)この規程を基本ルールとして、解雇をめぐるトラブルを防止・解決していくのが目的です。

解雇制限

 労働者が解雇された後、再就職するのが困難な場合、たとえば出産などにより労働が困難な場合の解雇を制限することによって、労働者が安心して養生・休業することができるようにしたものです。
 解雇を制限される場合として、次の2つを定めています。

解雇制限の例外
【ア】使用者が打切補償を支払った場合
 労働基準法81条では、療養補償を受ける労働者が、療養の開始後3年を経過しても負傷・疾病が治らない場合に、使用者は、平均賃金の1200日分の打切補償を支払えば、その後の補償義務を免れるとしています。この打切補償をしたときは、業務上の傷病の休業期間、その後の30日間であっても解雇できることになります。
【イ】天災その他やむをえない事由のために事業の継続が不可能となった場合
 この場合は、所轄労働基準監督所長の認定を受けなければなりません。

解雇の予告

 労働基準法では、労働者に再就職のための時間的・経済的余裕を与えるため、
(1)少なくとも30日前に予告するか
(2)30日以上の平均賃金を支払わなければならないと、定めています。

解雇予告通知書(様式)

解雇予告の例外
【ア】天災その他やむをえない事由のために事業の継続が不可能となった場合
【イ】労働者の責めに帰すべき事由で解雇する場合
 この場合は、所轄労働基準監督所長の認定を受ければ、30日前の予告や30日分の平均賃金の支払義務を免れることができます。
労働者が解雇された後、再就職するのが困難な場合、たとえば出産などにより労働が困難な場合

解雇予告の適用除外者

解雇予告の適用除外者 解雇予告が必要になる場合
日々雇入れられる者 左の者が1ヶ月を超えて引き続き使用されるに至った者
ヶ月以内の期間を定めて使用される者 左の者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合
季節的業務に4ヶ月以内の期間を定めて使用される者
試の使用期間中の者 左の者が14日を超えて使用されるに至った場合
内定の取り消し

 内定の取り消しは、状況によっては、解雇に該当するので、合理的と認められる正当な理由がないと無効となります。

国家公務員の分限処分の指針

 平成18年10月13日に人事院事務総局人材局長より「分限処分の指針に関する通知」が各府省官房長等に対して出されました。国家公務員法に定める分限処分とは、官職に必要な適格性の欠如等が認められる職員が存在して公務能率の維持・確保ができなくなるおそれのある場合に、公務の適正かつ能率的な運営を図るために当該職員を免職・降任等させるものです。今回の通知では、裁判例で示された考え方を踏まえた上で、分限処分を行う際の手続や留意点等の対応措置がまとめられており、一般企業において普通解雇や降格などを検討する際にも参考になる内容となっています。その中から勤務実績不良(国家公務員法第78条第1号)と適格性欠如(同条第3号)についての手続きを次に抜粋します。

対応措置が必要となる例

対応措置
 業務実績不良の職員又は官職への適格性に疑いを抱かせるような問題行動を起こしている職員に対しては、一定期間にわたり、注意・指導を繰り返し行うほか、必要に応じて、担当職務の見直し、研修等を行い、それによっても勤務実績不良の状態又は適格性に疑いを抱かせる状態が継続する場合には、分限処分が行われる可能性がある旨警告する文書(警告書)を交付する。その上で、一定期間経過後もこれらの状態が改善されていないことにより当該職員が法第78条第1号(勤務実績不良)又は第3号(適格性欠如)に該当するときには、分限処分を行う。

留意点(資料収集)
 勤務実績不良又は適格性欠如に該当するか否かの判断は、単一の事実や行動のみをもって判断するのではなく、一連の行動等を相互に有機的に関連付けて行うものであるので、客観的な資料((1)勤務評定記録書(2)勤務実績が他の職員と比較して明らかに劣る事実を示す記録(3)仕事上の失敗・トラブル、苦情等の記録(4)指導に関する記録、対話に関する記録(5)服務に関する記録(懲戒処分、分限処分等の記録を含む)(6)身上申告書、職務状況に関する報告(7)研修、業務の割振り変更や他の官職への配置換の結果報告)を収集した上で行う必要があり、特に、仕事上の失敗・トラブル・第三者からの苦情等の具体的な事実が発生した場合には、その都度、詳細に記録を作成しておく、また、注意・指導、警告書の交付等の措置を行った場合は、その内容を記録しておく。

定年

 「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律」が施行され、平成18年4月1日から、65歳までの定年の引き上げ・継続雇用制度の導入等が義務化されました。
 これは、少なくとも年金支給開始年齢までは働き続けることができるよう、定年の引上げ等の措置を講ずるというものです。

改正法のポイント
 65歳未満の定年を定めている場合には、雇用延長の措置(高年齢者雇用確保措置)を講ずる必要があります。雇用延長の方法には、(1)定年年齢の引き上げ、(2)継続雇用制度の導入、(3)定年の定めの廃止、があります。一般的には、継続雇用制度の導入が現実的な措置です。
 高年齢者雇用確保措置にかかわる年齢(65歳)については、平成25年度までに段階的に引き上げることとされています。
62歳:平成18年4月 ~ 平成19年3月
63歳:平成19年4月 ~ 平成22年3月
64歳:平成22年4月 ~ 平成25年3月
65歳:平成25年4月 ~

 継続雇用制度を導入する場合、原則として希望者全員が制度の対象となりますが、労使協定により継続雇用制度の対象となる労働者に係る基準を定めたときは、希望者全員を対象としない制度も可能となります。
 なお、施行より政令で定める日までの間(当面大企業は3年間、中小企業は5年間)は、労使協定ではなく就業規則等に当該基準を定めることを可能としています。

継続雇用制度の対象となる者の基準の例
 「社内技能検定レベルB以上」、「営業経験10年以上」、など、客観的な基準の導入が求められています。

就業規則の改定例
就業規則第0条
定年は満60歳とし、定年に達した日をもって退職とする。ただし、次項の条件を満たし、本人が希望するときは再雇用を認める。

2、再雇用を認める者は、次の各号に該当する者とする。

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