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農業労務管理

労働時間・休憩・休日・休暇

労働時間・休憩・休日

法定労働時間

労働基準法では、法定労働時間を次のように定めています。

 ただし、次の業種(常時10人未満の労働者を使用する場合に限る)については例外扱いとなっており、法定労働時間は、1週間44時間、1日8時間としています。

労働時間の把握の義務

 使用者には、社員の労働時間を適正に把握する義務があります。
 具体的には、使用者は労働時間の把握について次のことをする義務を負っています。

始業、終業時刻の確認及び記録の原則的な方法
 原則的に次のいずれかの方法によることとされています。

自己申告制による場合
 自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行わざるを得ない場合、使用者は、次の措置を講ずる必要があります。

過重労働による健康障害を防ぐためにしなければならないこと

 過重労働による健康障害の防止のためには、健康診断等の健康管理の措置を実施し、時間外労働をできるだけ短くすることが重要です。

時間外労働が月45時間を超えたら
 事業主は産業医から事業場での健康管理について助言指導を受ける必要があります。
 時間外労働が月100時間または2~6ヵ月平均で月80時間を超えると業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が強いと判断されることから、事業主は当該従業員に対して産業医の面接による保健指導を受けさせなければなりません。
 また、産業医が必要と認める場合は臨時の健康診断を受診させ、その結果に基づき、当該産業医等の意見を聴き、必要な事後措置を行わなければなりません。

事業場外労働のみなし労働時間制

 事業場外労働のみなし労働時間制とは、従業員が業務の全部又は一部を事業場外で従事し、使用者の指揮監督が及ばないために、当該業務に係る労働時間の算定が困難な場合に、使用者のその労働時間に係る算定義務を免除し、その事業場外労働については「特定の時間(例えば所定労働時間)」を労働したとみなすことのできる制度です。

対象となる業務
 事業場外労働のみなし労働時間制の対象となる業務は、事業場外で業務に従事し、使用者の具体的な指揮監督が及ばす、そのために労働時間の算定が困難な業務です。ここでいう事業場外で業務に従事した場合とは、外勤・外交・外務労働を意味しており、いわゆる「屋外労働」ということを意味するものではありません。
 たとえば、建設工事現場や伐木造林等の林業現場などは屋外労働であっても、当該工事現場や林業現場も一つの適用事業所されており、そこでの労働は法律上「指揮監督下にある事業場内」労働であり、ここでいう事業場外の業務にはあたりません。
 事業場外で従事する場合であっても、次のようなケースのように使用者の指揮監督が及んでいる場合は、労働時間の算定が可能であるため、みなし労働時間制の適用はできません。

事業場外労働のみなし労働時間制における労働時間の算定方法
 事業場外の業務に従事した場合における労働時間の算定には、次の3つ場合があります。

 ただし、2 及び 3 の方法による場合は事業場外労働に該当する部分のみなしであり、労働時間の一部を事業場内で労働した場合には、その時間については別途把握しなければなりません。

専門業務型裁量労働制

 専門業務型裁量労働制とは、業務の性質上、遂行の手段や方法・時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、その業務を行う手段や時間配分の決定などについて使用者が具体的な指示をすることが困難な業務として厚生労働令などにより定められた19業務の中から、対象となる業務や1日当たりの時間数などを労使協定で定め、社員を実際にその業務に就かせた場合、労使協定であらかじめ定めた時間働いたものとみなす制度です

対象となる業務
 専門業務型裁量労働制を採用することができるのは、次の19業務です。

導入要件
 制度の導入に当たっては、次の 1 から 7 の事項を労使協定により定めた上で、所轄労働基準監督署長に届け出ることが必要です。

変形労働時間制

 変形労働時間制とは、労働の繁閑の差を利用して休日を増やすなど、労働時間の柔軟性を高めることで、効率的に働くことを目的とする制度です。使用者は、労働者に法定労働時間である1週40時間、1日8時間を越えて労働させた場合は、法律で定められた割増賃金を支払わねばなりません。
 変形労働時間制は、労働基準法で定められた手続を行えば、その認められた期間においては、法定労働時間を越えて働いた場合でも、この期間内の平均労働時間が法定労働時間を越えていなければ、割増賃金の対象として扱わないとする制度です。
 仕事内容等に応じて「1ヶ月単位」「1年単位」「1週間単位」「フレックスタイム制」があります。たとえば、「1年単位の変形労働時間制」は、夏のお中元の季節や冬のお歳暮の季節はすごく忙しくて反対にあまり忙しくない季節があるデパートや季節によって繁閑の差が大きいリゾート地のホテル等で利用されることが多く、農業においても他産業並みの所定労働時間を設定している法人等で導入しているケースもあります。

1年単位の変形労働時間制導入のポイント

1年単位の変形労働時間制の総労働時間と所定労働日数
対象期間(その期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない範囲内において労働させる期間)が1年の場合の総労働時間は次の計算によります。
40時間 ×(365日÷7日)= 2085.7時間

1年間の総労働時間を1日の所定労働時間で割り、年間の所定労働日数を出します。
1日の所定労働時間が8時間の場合の年間の所定労働日数は次のようになります。
2085.7時間 ÷ 8時間 = 260.7日 ≒ 260日 

1年単位の変形労働時間制の時間外労働の算出方法

【A:1日についての計算】
① 所定労働時間が8時間を超える日の場合は、その『所定労働時間を超えて』労働した場合
例:1日の所定労働時間が8時間30分の日に9時間30分働いた場合
9時間30分-8時間30分=1時間
② 所定労働時間が8時間より少ない日の場合は、1日『8時間を超えて』労働した場合
例:1日の所定労働時間が7時間00分の日に9時間40分働いた場合
9時間40分-8時間=1時間40分

【B:1週についての計算】
① 所定労働時間が週40時間を超える週の場合は、その『週所定労働時間を超えて』労働した時間(ただし、Aで1日ごとの時間外労働とされた時間は除いて計算する)
例:週所定労働時間が43時間00分の週に45時間00分働いた場合
45時間00分-43時間00分=2時間
その中に1日ごとの時間外労働となる時間が1時間ある場合は、
2時間-1時間=1時間
② 所定労働時間が週40時間より少ない週の場合は、『週40時間を超えて』労働した時間
(ただし、Aで1日ごとの時間外労働とされた時間は除いて計算する)
例:週所定労働時間が33時間00分の週に45時間00分働いた場合
45時間00分-40時間=5時間
その中に1日ごとの時間外労働となる時間が2時間ある場合は、
5時間-2時間=3時間

【C:対象期間についての計算】
①「対象期間における法定労働時間の総枠」を超えて労働した時間
(AとBで時間外労働とされた時間は除いて計算する。)
② この時間は,1日ごとの時間外労働または1週ごとの時間外労働にならなくても、対象期間を通じてみれば時間労働になる時間となる。対象期間を通じて総実労働時間数が法定労働時間の総枠を超えるときに,この時間は時間外労働になる。

※「対象期間における法定労働時間の総枠」とは
40時間×変形期間の暦日数÷7日となる。
例:対象期間1年(365日)=2085時間42分

【時間外労働になる時間数合計は】
A+B+C=対象期間において時間外労働となる時間数合計となる。

【割増賃金の支払時期】
割増賃金の支払時期は、時間外労働の計算には上記したような方法をとるため、A、Bは毎月、Cは対象期間終了ごとに、支払期日が到来することになる。
したがって、対象期間が1年の場合は1年終了して確定することになる。

【留意点】
対象期間の中途で退職する者、中途で採用された者については、対象期間終了時点において、次の計算式によって、割増賃金の支払が必要となることがある。

(実労働期間における実労働時間※)―(割増賃金の支払を要する時間)―(40時間×実労働期間の暦日数÷7日)

※実労働時間とは、1年単位の変形労働時間により労働させた期間

1年単位の変形労働時間制を導入している例
長野県の農事組合法人の例です。1年単位の変形労働時間制の導入と短時間労働者の活用により年間89日(平均7.4日/月)の休日を可能にしています。

休憩

休憩については、労働基準法で次のように定めています。

休日

 労働基準法で、使用者は労働者に毎週少なくとも1回の休日を与えるよう定めています。
 ただし、例外として4週間を通じ4日以上の休日を与えることも認められています。

休日の振替と代休

 使用者が休日の労働を命じ、本来の休日に代わるべき休日をあらかじめ特定して休ませるのが休日の振替といい、事前に通知せず、休日出勤をした後に仕事の合間を見て本人が休む日を指定する(休日出勤後に使用者が指定しても同じ)のを代休といいます。
 前者は休日が動いた(シフトした)だけであり、休日出勤していないと考えるのに対し、後者は、休日出勤をしたと考えます。

時間外及び休日の労働

 労働基準法で法定労働時間を定めているので、使用者は、労働者に対し原則として、1日8時間以上、1週間40時間以上労働させることはできません。
 ただし、労使の間で「時間外・休日労働に関する労使協定」(36協定)を締結し、行政官庁に届出をした場合には、使用者は、労働者に時間外労働・休日労働をさせることができることになっています。

時間外・休日労働に関する労使協定(36協定/資料参照)
 「時間外・休日労働に関する労使協定」は、この規定が労働基準法第36条に置かれているため、一般に36協定と呼ばれています。36協定は、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合は、その労働組合と、ない場合は、労働者の過半数を代表する者と書面による協定をし、所轄労働基準監督署に届け出てはじめて効力が生じます。
 なお、労使協定とは、事業場で、従業員の過半数を代表する労働組合か、これがない場合に従業員の過半数を代表する者が使用者と作成する書面をいい、労基法などが定める一定の規制を解除したり、緩和する場合等にその要件として定められています。

36協定の協定事項

期間区分 原則 1年単位の
変形労働時間制の場合
1週間 15時間 14時間
2週間 27時間 25時間
4週間 43時間 40時間
1ヶ月 45時間 42時間
2ヶ月 81時間 75時間
3ヶ月 120時間 110時間
1年 360時間 320時間

5. 協定の有効期間の定め

農業の労働時間等の適用除外について

 農業・畜産業・養蚕業の従事者は、労働時間(労基法32条~32条の5)、休憩(34条)、休日(35条)、労働時間及び休憩の特例(40条)、時間外・休日労働(33条・36条)、時間外・休日労働の割増賃金(37条)、年少者の特例(60条)が適用除外になっています。
 具体的には、たとえば労働時間に関して労働基準法は、使用者に対して1週間に休憩時間を除いて40時間超えて、1日については休憩時間を除いて8時間を超えて労働者に労働させてはならないとしておりますが、農業はこの適用の除外となっているということです。
 農業が労働時間等の適用除外となっている理由としては、
①事業の性質上天候等の自然条件に左右される。
②事業及び労働の性質から1日8時間とか週休制等の規制になじまない。
③天候の悪い日、農閑期等適宜に休養が取れるので労働者保護に欠けるところがない
 等が挙げられます。

労働時間の適用除外
 上で述べたように、農業に従事する労働者には、労働基準法上、1週40時間、1日8時間を超えて労働させても差し支えなく、また育児・介護中の女性や18歳未満の労働者についても時間外労働をさせても差し支えがありません。つまり、労働基準法上は、時間外労働は生じないことになります。

休日の適用除外
 労働基準法上、使用者は労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならないとしていますが、農業において使用者は、労働者に対して毎週少なくとも1回の休日を与えなくても差し支えがありません。

休憩の適用除外
 労働基準法上、使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならないとしていますが、農業において労働者には、休憩時間を与えずに働かせても差し支えがありません。休憩を与えなくても農業従事者は何時でも自由に休憩がとれるため、法律で規制する必要がないというのが理由です。

割増賃金の適用除外
 時間外及び休日労働に関する規定の適用がないので、農業に従事する労働者には時間外労働及び休日労働というものは労働基準法上成立しません。したがって、時間外労働及び休日労働に関する割増賃金の規定の適用もありません。

深夜業割増は除く
 深夜労働の割増賃金は適用除外されていないので留意が必要です。 労働基準法上、使用者が、午後10時から午前5時までの間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないとしています。

農業では、労働者に長時間労働をさせてもいいのか
 農業では労働時間・休憩・休日が労働基準法の適用除外であるということは、農業においては、農閑期に十分休養を取ることができる等の理由から、1日8時間労働や週1回の休日の原則を厳格な罰則をもって適用することは適当でなく、法律で保護する必要がないと考えられているからです。したがって、使用者は、労働者に「長時間労働をさせてもよい」とか「休憩を与えなくてもよい」とか「休日は少なくてもよい」などと誤った理解をしないよう留意しなければなりません。
 最近の農業経営における農業労働は、その機械化、通年化など大きく変化していること、他産業を下回るような労働条件で優良な労働力を確保することは困難なこと等の理由から、むしろ他産業を上回るような条件で、積極的に従業員の雇用に努めている経営者も増えてきています。
 労働条件はできる限り一般の職種に近づける努力は必要です。具体的には、

 

農業法人の労働条件(労働時間を定めているか)

農業法人の労働条件(休日を定めているか)

管理監督者等

管理監督者等の労働時間の適用除外
 労基法で定める労働時間・休憩・休日に関する規定は、①農水産業従事者、②管理監督者等、③監視・断続的労働従事者、④宿日直勤務者 のいずれかに該当する労働者については適用しません。②管理監督者等とは、一般的には、部長、工場長等経営者と一体になっている者をいいます。たとえ役付者であっても、実態が伴わなければ、法的には管理監督者として認められません。

適用除外の趣旨
 職制上の役付者であればすべてが管理監督者として例外的取扱いが認められるものではありません。役付者のうち、労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない、重要な職務と責任を有し、現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないような立場にある者に限って適用の除外が認められるというものです。

実態に基づく判断
 管理監督者の範囲を決めるに当たっては、資格及び職位の名称にとらわれることなく、職務内容、責任と権限、勤務態様に着目する必要があります。具体的には、次の三要件すべてを満たすことが必要です。

待遇に対する留意
 なお、管理監督者であるかの判定に当たっては、賃金等の待遇面についても無視できません。基本給、役付手当等において、その地位にふさわしい待遇がなされているかどうか、賞与等の一時金の支給率、その算定基礎賃金等についても一般労働者と比べ優遇措置が講じられているか等、留意する必要があります。

休    暇

年次有給休暇

労働基準法で定められた年次有給休暇(以下年休)は、従業員が、6ヵ月間継続勤務し、全労働日の8割以上の日数を勤務すると取得できます。
法定の年休の日数は次表のとおりです。

勤続年数 年休付与日数 勤続年数 年休付与日数
6ヶ月 10日 4年6ヶ月 16日
1年6ヶ月 11日 5年6ヶ月 20日
2年6ヶ月 12日 6年6ヶ月以上 18日
3年6ヶ月 14日

当該年度に消化しきれなかった年休は、翌年度に限り繰り越されます。

パートタイマーの年休

 パートタイマー等で所定労働時間が一般従業員と比較して短い者についても、当然年休を付与しなくてはいけません。所定労働日数の少ない労働者に対しては、年休を比例付与することになります。具体的には、次の2種類の労働者が対象になります。

比例付与日数は、次表のとおりです。

週所定
労働
日数
1年間の
所定
労働日数
勤続年数に応じた年次有給休暇日数
6ヶ月 1年
6ヶ月
2年
6ヶ月
3年
6ヶ月
4年
6ヶ月
5年
6ヶ月
6年
6ヶ月
以上
4日 169日~216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 121日~168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 73日~120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 48日~72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

 上に該当し、所定労働日数は少ないが、1日の労働時間が長く、週の所定労働時間は通常の労働者と変わらないような労働者(週の所定労働時間が30時間以上の者)については、比例付与の対象としないこととされています。また、週所定労働日数が5日以上であれば、1日の所定労働時間が短くても比例付与の対象となりません。

年休の取得手続き

 年休の取得を希望する場合は、「少なくとも1週間前に休暇の目的を申し出ないと承認しない」としている会社がありますが、取得手続を守らないと年休を与えない、というのは違法ですので注意してください。
 また、原則として、年休の取得は、使用者の承認を必要しません。
 また、どのように年休を利用しようが労働者の自由です。
 したがって、目的を申し出なければ年休を与えないというのも違法です。年休は、原則として、労働者が取得を希望する日を特定して使用者に通告することにより成立します。

半日単位の付与

 年休は、原則として1労働日を単位としており、それ以下への分割は認められません。
 ただし、半日単位で認めることは、違法ではないとされています。この場合の半日とは、午前・午後をいい、「午前中病院に寄る」といった場合や「午後から子供の学校で面談がある」といった場合に、使用者が半日の年休を認めることは違法ではありません。
 年休は、時間単位の分割までは認めていないので、「1時間遅刻したので、1時間を年休に振り返る」ということは、認められません。

退職間際の年休の消化

 年休は、原則として労働者の請求する時季に与えなければならないので、退職間際だからといって、使用者は、これを拒否することはできませんが、「事業の正常な運営を妨げると認められる場合」には、使用者は、他の時季に与えることができるとしています。
 したがって、たとえば、退職する従業員の申し出た日から退職日までの期間が短く、退職までの日数を年休で消化されると業務の引継ぎができない等、特別の事情があるときは、従業員の方で、不利益を受任せざるを得ないと場合もあると考えられます。
 しかし、退職が決まっている者に対しては、年休を与えるべき「他の時季」がないため、結局、年休の請求を拒むのは難しいのが現実です。この場合、引継ぎ等の業務が円滑に終了するまで、退職日を先に延ばしてもらうなど、労使の間でよく話しあって妥協点を探る努力が必要になります。

年休の計画的付与

 年休は、労働者の請求する時季に与えなければなりませんが、使用者が計画的に年休となる日を指定して、事前に「年休予定表」を作成し、指定された日を「年休の日」と定めることも可能です。これを「計画的付与」といいます。
 たとえば、8月13日から8月15日までの3日間を夏季休暇とし、これを年休としてあてることも可能です。

計画的付与の趣旨
 年給の取得率を向上させ、労働時間短縮を推進するためには、労働者が気がねなく年次有給休暇を取得できることにすることが有効であると考えられ、労働者の個人的理由による取得のために一定の日数(5日)を留保しつつ、これを超える日数については、労使協定による計画的付与を認めることとし、これにより年次有給休暇の取得率を大幅に向上させようとしたものです。

計画的付与の方法
 年休の計画的付与には3方式あり、各々の方式にはそれぞれ労使協定において定めなければならない事項が決まっています。

年休の計画的付与の方式 労使協定において定められるべき事項
事業場全体の休業による一斉付与方式 具体的な年次有給休暇の付与日
班別の交替制付与方式 班別の具体的な年次有給休暇の付与日
年休付与計画表による個人別付与方式 計画表を作成する時期、手続等

例えば、労使協定で
本協定に基づく全社一斉休業をもって付与する計画休暇は次の時期とする。
・毎年8月13日~8月16日の間の労働日

などとすることにより、年休を夏期一斉休暇に利用することや農閑期に一斉に付与することも可能となります。

生理休暇

 生理休暇は、単に生理日であるという理由で休暇を請求できるものではなく、生理痛等のために著しく就業が困難な状態にある場合にのみ請求ができるものです。
 また、使用者は、請求者が「就業が著しく困難な状態」にある限り、休暇の日数や時間を制限することはできません。なお、生理休暇は、無給としてさしつかえありません。

産前産後の休暇

 産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、産後8週間です。
 産前と産後の休暇の扱い方に違いがあります。産前の場合は本人の請求により与えられるのに対し、産後の場合は本人の請求の有無にかかわらず与えなければならず、産後8週間は、たとえ本人が希望しても就業させてはいけません。
 ただし、出産後6週間を経過した女性が請求した場合で、その者について医師が支障ないと認めた業務に就かせることは差し支えありません。出産というのは、妊娠4か月以上の分娩のことをいい、これは、生産、流産または死産の別を問いません。
 また、妊娠1か月とは、28日をいい、妊娠4か月以上というのは、妊娠4か月目の第1日目から該当するので、28日×3か月+1日=85日となり、85日以上の妊娠による分娩に対し、出産予定日までの6週間、産後8週間の計14週間の休暇を与えることになります。
 なお、出産の予定日が遅れた場合、その遅れた日数分は産前休暇に加えられます。

育児・介護休業

 育児・介護休業法は、育児又は家族の介護を行う労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるよう支援することによって、その福祉を増進するとともに、あわせて我が国の経済及び社会の発展に資することを目的としています。次世代育成支援を進めていく上でも大きな課題となっている育児や介護を行う労働者の仕事と家庭との両立をより一層推進するために、育児・介護休業法が改正されました。
施行は平成17年4月1日からです。

育児・介護休業法改正のポイント

改正事項 17年3月31日まで 17年4月1日から
育児休業及び介護休業の対象労働者の拡大 期間を定めて雇用される者(有期契約労働者)は対象外 休業の取得によって雇用の継続が見込まれる一定の範囲の期間雇用者(1)は、育児休業・介護休業がとれるようになった。
育児休業期間の延長 子が1歳に達するまで 子が1歳を超えても休業が必要と認められる一定の場合(2)には、子が1歳6カ月に達するまで育児休業ができまる。
介護休業の取得回数制限の緩和 対象家族1人につき1回限り。期間は連続3カ月まで 対象家族1人につき、常時介護を必要とする状態に至ることに1回の介護休業ができる。(3)期間は通算して(のべ)93日まで
子の看護休暇の創設 事業主の努力義務 小学校就学前の子を養育する労働者は、1年に5日まで、病気・けがをした子の看護のために、休暇を取得できる(4)ようになった。

(1)対象労働者の拡大
 「一定の範囲の期間雇用者」とは、次のア、イのいずれにも該当する労働者です。
【ア】同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること
【イ】育児休業:子が1歳に達する日(誕生日の前日)を超えて引き続き雇用されることが見込まれること
介護休業:介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日を超えて雇用が継続することが見込まれること

(2)育児休業期間の延長
 育児休業を延長できる「一定の場合」とは、保育所に入所を希望しているが、入所できない場合等となる予定です。

(3)介護休業期間の延長
介護休業の回数・日数は、対象家族1人ごとに数えます。
回数:2回目の介護休業ができるのは、常時介護を必要とする状態から回復した家族が、再び常時介護を必要とする状態に至った場合です。3回目以降も同様です。
日数:通算して93日までとなります。

(4)子の看護休暇の創設

慶弔休暇

 慶弔休暇の付与は法律で義務付けられていませんが、多くの会社が「特別休暇」という名称で年次有給休暇と別枠で付与しています。
 一般的な付与日数は次のようになります。なお、就業規則を作成する際、慶弔休暇は「絶対的記載事項」となります。

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