社会保険料の決定
社会保険料の決定方法等
社会保険料は、従業員各々の標準報酬月額をもとに決めています。いちいち毎月の報酬をもとに社会保険料を算出していたのでは、事務が非常に煩雑になります。
そこで、報酬の額をいくつかの等級に区分して仮の報酬を定め、各々の従業員について原則として1年間はその報酬をもとに毎月の保険料の計算を行うようにしています。
健康保険(協会健保)・厚生年金保険の保険料額表(平成21年3月分~)
標準報酬月額の決定方法
(1)資格取得時決定
被保険者資格を取得したとき(入社時)にその人が受けるであろう報酬額により決定します。
- 月給制・・・・・・その額がもとに標準報酬月額を決定します。
- 日給、時間給・・・雇入れの前1ヶ月間に、その事業所で同じ形態で報酬を受けた人の平均額をもとに標準報酬月額を決定します。
(2)定時決定
実際の報酬額に即した標準報酬月額とするため、原則として7月1日現在の被保険者全員について、その年の4月・5月・6月の報酬額をもとに決定します。
(3)随時改定
基本給等の固定的賃金の変動※や賃金体系の変更によって報酬額が変動し、変動月以降の3ヶ月間の報酬の平均額とそれまでの標準報酬月額との差が著しい(2等級以上の差)場合に改定します。
※固定的賃金の変動とは、ベースアップ、ベースダウン、賃金体系の変更(時給から月給に変更など)、基礎単価の変更、役付手当がついた場合などをいいます。
| 固定的賃金 | 月給・日給・時給・役付手当・家族手当・住宅手当など |
|---|---|
| 非固定的賃金 | 残業手当・休日勤務手当・皆勤手当・宿直手当など |
(4)育児休業等終了時改定
育児休業または育児休業制度に準ずる休業を終了した被保険者が3歳未満の子を養育している場合に、保険者(社会保険事務所等)に届け出れば、育児休業等の終了日の翌日の属する月以降3ヶ月間の報酬の平均額にもとづいて標準報酬月額を改定します。
標準報酬月額の下限と上限
健康保険・・・・58,000円(1等級)から1,210,000円(47等級)
厚生年金保険・・98,000円(1等級)から620,000円(30等級)
賞与に対する社会保険料
賞与からも毎月の賃金と同様の保険料を納めます。
保険料の対象となる賞与の額は、被保険者に支給される賞与の1,000円未満を切り捨てた額で、これを標準賞与額といい、各々の保険料は、これに各保険料率を掛けて求めます。
標準賞与額の上限
標準賞与額には支給1回ごとの上限が次のように定められています。
健康保険・・・・・・・・ 標準報酬額の累計額が540万円まで
厚生年金保険・・・・・・ 150万円
社会保険料の徴収
社会保険料は、被保険者負担分を毎月の給与から控除して、会社負担分と合算したものを会社を管轄する社会保険事務所に納めます。
健康保険料や厚生年金保険料等の被保険者負担分の給与からの控除にはルールがあります。当月分の賃金から控除することができる保険料は前月分の保険料です。(健康保険法 第167条)ただし、被保険者が退職等でその事業所に使用されなくなったときは、前月分とその月分の保険料を控除することができます。
資格取得日・資格喪失日と保険料徴収
社会保険の資格取得日は、適用事業所に使用されるに至ったとき(入社日)ですが、資格の喪失は、退職(死亡)したときの翌日になります。
また、保険料は資格を喪失した日の属する月の前月分まで徴収します。
たとえば、4月29日に退職した者は、資格喪失日は翌日の4月30日となるので、保険料の徴収は前月の3月分までですが、4月30日退職の場合は、資格喪失日が翌日の5月1日なるので、保険料の徴収は4月分までとなります。当月の賃金から控除できるのは、前月分のみですが、退職の場合に限り当月分も控除できますので、この場合、4月の賃金から3月分と4月分の2ヶ月分の社会保険料を控除することになります。
なお、社会保険料は月単位ですので、月の途中入社だからといって日割計算はしません。
たとえば、4月1日入社の者、4月15日入社の者、4月30日入社の者、いずれも4月分として1ヶ月分の保険料を納めます。
介護保険料の徴収
介護保険の被保険者の資格取得日は、40歳の誕生日の前日になります。また、取得日の属する月の保険料から徴収することになります。
たとえば、4月1日が誕生日の場合、資格取得日は前日の3月31日となり、3月分の保険料の徴収が必要になり、具体的には4月の賃金から控除することになります。
育児休業期間中の保険料免除
育児休業を取得すると休業前の収入よりダウンするのが一般的で、経済的に苦しくなります。そこで、育児休業期間中の社会保険料は全額免除されるようになりました。
保険料免除の内容
- 育児休業したその月から免除対象となる。
- 免除期間の上限は、子供が満3歳になるまで。
- 免除期間は、育児休業が終了する月までの全ての期間が含まれる。
- 育児休業中の保険料免除期間は、保険料を払っていたものとみなされ、保険による診察を受けることができる。
- 将来受け取る年金の給付額は減額されない。
- 免除期間中は、本人だけでなく、会社の負担分も免除される。
育児休業等期間終了後の保険料
育児休業が終了し給料が下がった場合でも子供が満3歳になるまでの間は、休業終了後3カ月間の給料の平均額に対する保険料を納めればよく、かつ、この給料が下がった期間であっても、育児休業前の給料をベースにした保険料を納めているとみなされます。
つまり、給料が下がって安い保険料しか収めていないのに、給料が下がる前の高い保険料を納めていたとみなしてくれるわけです。
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